2020年のデビュー以降から、第一線で活躍し続ける9人組アイドルグループ・Snow Man。今年11月9日からは、グループにとっても初となる5大ドームツアー『Snow Man Dome Tour 2024 RAYS』を絶賛開催中だ。2025年にはデビュー5周年を迎える彼らだが、その影響力はもはや日本国内に留まらない。今回は、メンバーの国外での活躍を振り返りながら、Snow Manの海外進出について触れていきたい。
Snow Manといえば、デビュー前からアジア圏を中心に海外を視野に入れた活動が目立っていた。2019年8月には、いち早くWeiboの公式アカウントを開設し、中華圏での認知度拡大を図っている。
2020年1月に『D.D.』でCDデビューを果たすと、同年3月からは国内3都市およびバンコク、ジャカルタ、シンガポール、台北といった海外4都市を回るアジアツアーを計画していた。コロナウイルス拡大の影響でデビューツアー実現は叶わなかったが、同年10月には『Snow Man ASIA TOUR 2D.2D.』というタイトルのまま無観客ライブを配信。同公演は、日本国内だけでなく中国でも配信され、当時の事務所にとって初となる試みが大きな話題を呼んだ。
今思うと、このアジアツアー開催への悲願が、Snow Manの幅広い海外活動を後押ししてきたようにも感じられる。
ここからは、今年特に目立ったソロ及びグループでの海外活動を振り返っていこう。
1月中旬からは、目黒蓮とラウールがイタリア・ミラノで開催されたファッションウィークに参加した。イタリア発の世界的ブランド「FENDI」から招待を受けた目黒は、セクシーな胸元が印象的な黒のセットアップで登場。韓国の人気俳優であるイ・ミンホとの2ショットも公開された。
さらに2月1日、目黒は「FENDI」のジャパンメンズブランドアンバサダーに就任。来年100周年を迎える同ブランドにおいて、日本人モデルが起用されたのはこれが初となる。
一方、ラウールはミラノで「Dolce & Gabbana」や「Giorgio Armani」といった人気ブランドをスタイリッシュに着こなして登場した。その後、フランス・パリも訪れ、ファッションの中心地を存分に満喫した様子だ。
実は、この1月のファッションウィークにモデルとして出演することを目指していたというラウール。192cmという圧倒的なスタイルを活かし、すでにトップモデルとして国内外を問わず数々のイベントに出演してきた。2022~2023年には、「ヨウジヤマモト プールオム(Yohji Yamamoto POUR HOMME)」のパリ・コレクションでランウェイを歩き、パリコレデビューも果たしている。
そんな彼が再びパリのステージを目指し、単身で挑戦する日々が始まった。
パリでのショーに出演するには現地の事務所に所属する必要があったため、今年1月から本格的に現地での売り込みを開始。オーディションにこぎつけるまでの苦労、そして先の見えない選考落ちにラウールは初めての挫折を味わったと明かしている。
6月に行ったインスタライブでは、パリのモデル事務所「BANANAS MODELS」と契約したことを報告。また、15kgのストイックな減量を経て、「メゾン ミハラヤスヒロ(Maison MIHARA YASUHIRO)」2025年春夏コレクションのショーに出演した。9月には再び渡仏し、「2025年春夏 パリコレクション」にて堂々としたウォーキングを披露した。世界を股にかけたラウールの定期的なモデル活動にさらなる期待がかかる。
渡辺翔太は、6月16日にミラノで開催されたスワロフスキーの展示会「SWAROVSKI – MASTERS OF LIGHT」に参加している。同ブランドのジュエリーを身にまとって登場した渡辺は、ゴージャスで洗練された大人の魅力を披露。美容男子として日頃から磨き上げた美しさを遺憾なく発揮した。
その後、渡辺は10月にスワロフスキー初のジャパンアンバサダーに就任している。
9月には岩本照、向井康二もイギリス・ロンドンで開催された2025年サマーコレクションへ。岩本は「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)」のショーに参加。逞しさと華やかさを備えた艶めかしいスーツスタイルで多くの注目を集めた。向井は「バーバリー(BURBERRY)」のショーに出席。普段とはまた異なるエレガントな装いは、儚さすら感じさせる美しさだ。また、趣味のカメラを片手にロンドンの街を散策し、充実した時間を過ごしたようだ。
グループとしての活動に目を移すと、こちらもまた海外を意識した音楽作品や番組作りが印象的だ。
8月21日には、4thアルバム『RAYS』のリード曲である「EMPIRE」のMVが公開され、グループ史上最速となる25時間で1000万回再生を記録した。
同MVは、世界遺産が多数現存するスペイン・バルセロナで撮影され、ヨーロッパの古き良き街並みが映えた作品に仕上がっている。忙しい合間を縫って設けられた現地での撮影期間は実質3~4日程だったそう。
しかし、無理をしてでも異国の地を訪れたのは「これまでとは全く違う作品を作りたい」「新しい自分たちを見せたい」というメンバーの思いがあったからだ。MV撮影においても、岩本やラウール、目黒などを中心にメンバー同士で案を出し合いながら構成を練っていった。
自分たちの魅せ方を常に追求し続ける意欲的な姿勢は、それぞれがソロの現場で独自に培ってきたものなのかもしれない。同楽曲は、モーツァルトの「交響曲第25番」ト短調から第1楽章をサンプリングしており、海外の人にとっても耳に残りやすい作品に仕上がっている。
本作以外にも『RAYS』では「リンディーララ」や「Wha cha cha」のような異国情緒あふれる楽曲が収録されており、Snow Manの本気が詰まったボリューミーなアルバムが完成した。
また、Snow Manの冠バラエティ番組『それSnow Manにやらせて下さい』(TBS系)でも海外ロケが増加傾向にある。昨年11月には、世界中にSnow Manを知ってもらうためのワールドワイドな新プロジェクト「Snow Manに世界進出させて下さい」がスタート
第1弾としてタイ人の母を持つ向井が幼少期を過ごした地・タイへ阿部亮平とともに渡った。番組公式Instagramのフォロワーを増やすため、向井と阿部が大物有名人たちにアポなしで突撃したこの放送が、今年8月タイにて開催された『バンコク日本博2024』にて特別賞を受賞。日本のテレビ史上初の快挙となった。
今年に入ってからの海外ロケとしては、7月放送回にて阿部亮平がROLANDと共にアメリカへ渡り、ピクサー・アニメーション・スタジオやロサンゼルス自然史博物館を訪問している。
さらに、10月放送回では『バンコク日本博2024』に参加した向井と渡辺のコンビで「渡辺翔太×不老不死」企画の第3弾としてタイでのロケを敢行。美容番長の渡辺が、向井やMattと共に不老不死の食材を求めて、番組史上最も過酷なロケに挑んだ。
時を同じくして10月14日正午からは、アニメ『ブルーロック VS. U-20 JAPAN』のエンディング曲「ONE」がサブスク解禁され、Snow Manにとって初となる世界配信が実現。荘厳な雰囲気漂う竹林で撮影されたMVには日本らしさが大胆に盛り込まれ、楽曲面でもさらなる認知度の拡大を図っている。
そして、12月12日には、向井と森崎ウィンがW主演を務めるBL映画『(LOVE SONG)』の公開が決定した。東京とバンコクを舞台に描かれる本作は、日本とタイによる合作のオリジナル映画で、2025年秋に劇場公開予定だ。
ここまで、2024年のSnow Manの海外における活動展開を振り返りながら、それぞれの軌跡について触れてきた。国際的な活躍が増加する一方、彼らの国内での懸命な仕事ぶりを見れば、決してSnow Manを「海外志向」という単純な一言では表せない
現時点で明確に感じられるのは、国内外を問わず、Snow Manそのものの価値をさらに高めるためにメンバーそれぞれが今できることに全力を注いでいるということだ。目の前の仕事を丁寧に務め、常に高みを目指して突き進んできたSnow Man。現場の共演者やスタッフから愛されるのも、彼らの人となりによるものが大きい。
今年蒔いて育ててきた種が、来年以降どのように成長していくのか。5周年に向けてさらに盛り上がっていくであろう、Snow Manの活躍から目が離せない。