大谷翔平はWBC準々決勝が  “ラスト”なのか? メジャー担当記者が解説する“

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エンゼルスの監督が明かした“準々決勝がラスト登板”の方針
 米アリゾナ州では、エンゼルスのフィル・ネビン監督が「翔平が準々決勝で投げれば、何が起こったとしても、こっちで金曜日(24日)に投げられる」と話したもので、WBC終了後は24日のオープン戦に登板し、中5日で30日の開幕戦(アスレチックス戦)へ備えるプランを明かした。この為、大谷はマイアミで行われる決勝ラウンドの準決勝、決勝には登板しない方針が明らかになった。

今回は、大谷起用法には、エンゼルス側決定して、侍ジャパンに要請したわけではない。大谷翔平が出場意思を表明して以来、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは「翔平が望むことであれば、何でも協力したい」と、全面的にサポートする姿勢を明かしてきた。

実際に、2月のキャンプイン前には、栗山英樹監督らと緊密なコミュニケーションを取りつつも、「すべて彼と日本の首脳陣に任せる。私は何も心配していない」と、基本的には侍ジャパンと大谷翔平主導で起用プランを最終決定するとの考えを示した。

今回の、侍ジャパンの先発ローテーションが、どの様な経緯で決まったのかは、現時点では、定かではない、ただ、これまでの発言からも、栗山監督ら首脳陣は、米国行きをかけた準々決勝を最重要試合と位置付けて、ローテーションを編成したものと見られる。

その結果は、最終的には、大谷とダルビッシュ有の2枚看板を一気に投入する必勝策が固まった。確かに、メジャーリーガーが2投手を準決勝、決勝に回すプランも選択肢のひとつだったかもしれない。だが、準々決勝以降は、試合に負ければ終わりのトーナメント、ジョーカー2枚を切る前に負けるわけにはいかない。裏を返せば、万が一には、この2人で負けたとしても悔いは少ない。

つまり、「準々決勝に大谷とダルビッシュ」を起点として、「大谷―ダルビッシュ―佐々木朗希―山本由伸」と並ぶ1次ラウンドのローテーションが確定した可能性が極めて高い。

大谷翔平も例外ではない「球団からの管理」
 その一方では、エンゼルスのネビン監督はキャンプイン直後から、大谷を今季の開幕投手起用を発表した。となると、大谷は開幕戦の3月30日から逆算して調整を進める事になる。

エンゼルス監督は、今季は、先発大谷を基本的に中5日で起用する方針を固めており、絶対的なエースとなった大谷自身も、自覚を持って前向きに挑む姿勢を明かしてきた。

WBC終了後、米アリゾナのキャンプに再合流する大谷のオープン戦最終登板は、開幕戦まで中5日となる24日のパドレス戦。米国東部時間16日午前6時(日本時間16日午後7時)の準々決勝で先発する大谷は、日程上、米国ラウンドでの先発登板が不可能となった。

 日本に限らず、各国首脳陣には、大会中も選手の所属球団と頻繁に連絡を取り合いながらも選手の調整ペースに配慮してきた。特に、投手陣は球数や登板間隔が球団ごとに細かく管理されており、ブルペンでの投球練習に、実戦登板などは、開幕から逆算した調整プランの中で、起用法が決められてきました。日本代表に合流した大谷も例外ではなく、その調整プランの真っ只中にあるのです。

アメリカ代表は、球団側からの要望で“降板させずに”

他の強豪国に目を移すと、米国代表のブレイディ・シンガー(ロイヤルズ)は、12日のメキシコ戦に3番手として救援し。登板直後は4回に4失点したものの、5回も続投しました。

劣勢な試合展開でもあり、本来であれば4回途中で交代しても不思議ではなかったが、ロイヤルズの開幕投手候補でもあり、球団側から「60球をメド」との要望があった為に、2イニングで53球を投げることになった。

投手だけでなく、野手の場合も、開幕まで一定の打席数は、守備機会を与えられるように起用しなくてはならない。米国のマーク・デローサ監督は「正直に言うが、みんなが公式戦の開幕に準備できるように、いろんな事を各球団と情報交換している」と、試合の勝敗だけでなく、各選手の仕上がりにも目配り気配りを必要とする裏事情を明かした。

WBCとMLBにとっての「成功」とは?
 過去の大会でも、公式戦への影響を考慮して出場を辞退する選手が続出した。だが、前回大会の優勝シーンを見たエンゼルス主砲マイク・トラウトが「後悔した」と公言して、今回は米国主将を務めるなど、トップ選手のWBCへの参加意識は着実に変わってきた。

 その一方で、大会後には長丁場の公式戦が控えるため、各国首脳陣にすれば、高額年俸を稼ぐ各球団の「宝」を酷使して疲弊させるわけにもいかない。国の代表としての威信をかけて、たとえ世界一を勝ち取ったとしても、大谷をはじめとするスーパースター達に、その「代償」を払わせるような事態になれば、次回大会以降の選手招集にも影響を与えかねない。

 WBC大会への注目度がアップし、緊迫した戦いが続けば続くほど、自国と選手のテンションも上がる。スポーツにケガは付きものとはいえ、各国の選手が無事に開幕戦を迎えてこそ、WBCは大成功と言えるのではないでしょうか。

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